初心者が本格的な大工技術を教えてくれる 木工倶楽部 に入会。学んだ事の復習や自習した事などを書き綴っています。
3回めの教習で初めて墨差を使い、墨付けをしました。
木材に線を引くことを墨付けと言います。そして線を引く道具が墨差。墨差は竹で出来た筆のようなものです。
この墨差という道具は(素人の僕には分からないのですが)なかなか奥の深い道具のようで、教習の先生は手作りされる方が多いそうです。
どのようにして作っているのか先生からお話を聞いたので、今回は簡単にですが墨差の作り方について紹介します。
下の写真の上が市販の墨差。僕もこれを使っています。そして、下が先生自作の墨差。
市販のものよりも幅を狭くして、安定した線が引けるようにしているそう。たしかに狭い方がブレが少なくなるので、使いやすそうです!
墨差を作るうえで大事なことを3つ教えてもらいました。
- 竹は10~12月に切ったものを使う
- ノミはよく研いで切れる刃にする
- ノミの重みで穂先を割る
墨差の材料である孟宗竹は10~12月に切ったものを使うと良いそうです。この時期の竹は水分を吸い込まない休み期間。そのため水分量が少なくなり、加工がしやすいそうです。
そしていちばん大事なことはノミを研ぐ事!
孟宗竹はとても硬いので、ノミがすぐに切れなくなります。穂先を割る加工はとにかく切れる刃じゃないと絶対にダメ! よく研いで切れる刃にしておくことが何よりも大事とのこと。
墨差の先端は、墨を含ませるために細かく切り込みが入っています。0.5mm幅の割りを入れるなんてめっちゃ難しそう…。
簡単にやり方を見せてもらいました。(下写真はやり方だけなので、実際の穂先とは異なります)
使うノミは8分。垂直に立て、割る部分に少しだけ切り込みを入れます。切り込みを入れたら、あとはノミの重みだけで割るイメージ。
ノミを持つ手は固定。反対側の手で持っている竹を、トントンと軽く下に打ち付けます。その振動でノミが下に下がり穂先が割れていきます。決して力任せに下に切り込んだりしてはいけません。
ノミの重みだけで割れていく、そうなるために切れる刃になっていることが重要なんですね。ちなみに、先生は市販の墨差よりも深く割って使いやすくしているそうです。
穂先を割ったら、反対側の加工。
反対側はけずり、玄能で潰します。こちらは文字を書く時に使います。
鉛筆よりも細く濃い線が引ける墨差は、こうやって作られるんですね。
僕もいつかチャレンジしてみたいですがその前に、切れる刃になるように研ぎの練習を頑張ります!
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