木工初心者が、本格的な大工技術を教えてくれる木工倶楽部に入会。教習内容を備忘録として書き綴っています。
鑿(ノミ)や鉋(カンナ)に興味がある方、よかったらご覧ください。
四街道 サンデー木工倶楽部とは
2020年9月20日・7回目の教習
前回は 教習⑥ 斜めに切る・角を取る でした。今回から荒砥用の砥石台作りが始まります。
砥石台の話
2つの砥石台
3回にわたる教習を終え、砥石台(中砥用)がようやく完成しました。
参考記事仕上がりはこんな感じ。課題に取り組むことで、木の性質を学び、鋸やノミに少しだけ慣れる事が出来ました。
先生に見ていただきOKをいただいたので、次は荒砥石用の砥石台を制作します。
荒砥石用の砥石台と中砥用では、違う加工をする箇所がいくつかあります。ひとつは、砥石をのせる部分です。
中砥用は、両サイドを削り落としました。
一方、これから作る荒砥石用は、穴を掘ります。
横からノミを入れることが出来ないので、加工が難しそうです。
ホゾ継ぎ(ホゾ穴)の練習として
この砥石を置く穴は、もう少し先の教習で行う「ホゾ継ぎ」のホゾ穴を掘る練習になります。ホゾ継ぎとは、凸状に加工したホゾをホゾ穴に差し込んで接合する方法です。
ホゾ穴を掘るうえで大事なことは、木目の方向によって削り方を変える事。
- 横方向をホゾの幅より少し大きめに、ゆるく削る
- 縦方向はホゾがきつく入るよう、ぴったりサイズに削る
なぜ横方向をゆるくするのかというと、木材は木目に沿って割れやすい性質があるからです。
穴の横幅が狭いと、ホゾが差し込まれた時にその体積分の広がりを逃がす場所がありません。結果その広がりに耐え切れず、木目に沿って裂けるように割れてしまいます。
なので、横方向はホゾをスっと手で差し込めるぐらいにゆるく。逆に縦方向はきつくして、ホゾを効かせることが大事なポイントになります。
では、砥石台の穴掘りで練習します。
砥石台(荒砥用)の制作
荒砥石が入る穴を掘ります。木目に沿う面はゆるく、縦方向は砥石が垂直でないと入らないくらい、ぴったりサイズに仕上げるのが目標です。
STEP1 墨残しで線を刻む
広ノミの刃の裏を削らない方に向ける。墨線の内側ぎりぎりにノミを立て、ゲンノウで叩く。
墨線を残して線を刻みます。墨を残すのは、あとからサイズ調整をするためです。
STEP2 穴を掘る
① 掘る部分の輪郭をとる。8分ノミで、1寸長さ(約3cm)の長方形に彫り線をいれます。
叩く深さは3~5mmくらい。仕上げの深さが9mmなので、最初はそれよりも浅くなるようにノミを叩き入れます。
② 輪郭の中を削ります。必ず刃の裏は上に。そうしないと、彫り線の深さより下に刃が食い込んでしまうからです。
ノミを斜めに叩きいれると、輪郭に沿ってパキ!っときれいに削れます。
①~②を繰り返し、彫り線の中を全て削ります。
STEP3 深さを整える
穴の深さを3分(約9mm)にします。まずはどこでも良いので、基準となる一部分を深さ3分に削り平面に整える。そこを基準にして全体を同じ深さに削っていきます。
8分ノミで削り、だいたい同じ深さになったら広ノミで平面に仕上げます。
STEP4 穴のサイズ確認
実際に荒砥石を入れてサイズを確認してみます。と、ここで先生のチェックが入りました。
横方向は、砥石が抵抗なくスっと入るサイズで良い感じですが、縦方向は、まだきつくて入らないようです。
残していた墨線を削り調整しましょう。先生のお手本通り、ノミをまっすぐ垂直に持ち、下にサクッと削ります。
いちどに多く削るのではなく、少し削っては砥石を入れて確認。これを繰り返し、少しずつ調整します。
よし!ピッタリになったぞ。ゲンノウで叩かないと外れません。ピッタリしすぎ…?
時間になったので、ここで終わり。次回、先生にチェックしてもらいます。
今日の感想
穴を掘る加工は、思っていたより上手く出来た気がします。パキっと彫り線どおりに木片が削り取られるのが、すごい心地良かった!
最初は、砥石台2つもいるのかな~と思っていましたが、浅はかでした。前回の復習も出来るし、少し違う加工もあるので学べる事が多いです。
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