木工初心者が、本格的な大工技術を教えてくれる木工倶楽部に入会。教習内容を備忘録として書き綴っています。
鑿(ノミ)や鉋(カンナ)に興味がある方、よかったらご覧ください。
四街道 サンデー木工倶楽部とは
前回は 教習⑫ 作業台「馬」の制作 (前編) でした。今日は墨打ちと縦割りをします。
馬を作るための材料
馬は物をのせる「作業台」の部分と、それを支える「脚」で成り立っています。
基本的に馬は2台で1セット。なので1本の角材から、馬2台分の材料を切り出します。
材料を切り出す
では「作業台」と「脚」の材料を切り出します。まずは、材の厚みを二等分する墨打ちから。
墨打ち
サシガネでは届かない長い木材には、墨壺を使い墨付けをします。
壺糸をピンと強く張り、ペシッ!
はい、失敗。 墨汁の量が多すぎたようです。
上手く墨を打つ方法は、別記事で書いていますので参考にどうぞ。
参考記事
縦割り
墨を打った線の真上に鋸を挽き、縦割りします。「縦割り」とは木材の長手方向に鋸を挽き、切断することです。「建築用語集」に、こんな記載がありました。
切るとは繊維に直角に切断することで、現在の横引きであり、繊維方向に平行に切ることは、挽き割る(=現在の縦挽き)といって区別していた。
引用:タクミ ホームズ 提供
繊維方向に切る場合は「切る」とは言わず「挽き割る」と言って区別していたんですね。興味深い。
さて、鋸の挽き込み角度は材料の厚さで変わります。例えば厚み30mmまでなら30度、もっと薄い板の場合は15度くらいで切ると効率よく切断できます。
しかし、これから切る3.5寸の角材は厚さ106mm。このような厚みがある材を縦割りする場合は、なるべく鋸を立てて70度くらいで切るといいそうです。
鋸を立てると、寝かせた場合より切削面積が少なくなります。切削抵抗を減らすことで、厚みのある材でも力まずに切断できるんですね。
では、縦割りにチャレンジ。最初に引き溝(刃が入る溝)を入れます。
180度ひっくり返し、こちらにも引き溝を入れます。
上下の引き溝をつなぎます。溝から鋸が外れないように注意。
この引き溝をガイドにし、縦割りしていきます。
ここからの大事なポイントは、下側の引き溝から鋸を外さないこと。
このように、引き溝から鋸を外して切り進めると、上と下で段差ができてしまいます。
なので、鋸は常に上下の引き溝をつなぐように切ることがポイント。
そうすることで、切断面がきれいに仕上がります。
少し切っては上下をひっくり返して切る。これを何回もくり返し、墨線からズレないように慎重に切り進めます。
作業台にのせて切っているのですが、縦割りをする場合は角材の前側だけを台にのせます。
これは切る材に角度をつけることで、鋸を立てやすくするため。また、鋸線を見やすくするためです。
しかしこれでは、最後の部分を切ることができません。なので切り終わりが近づいたら、鋸が当たらない位置に台をクランプで固定し、切り終えます。
無事に縦割り終了。
鋸を挽いた面がザラザラなので、鉋がけ。
2尺を2本、7寸を4本 取ります。
墨付け
「墨付け図」を見ながら、墨付けをします。
いつもは竹の墨差を使うように言われますが、今回のように細かい線を引くときは、鉛筆を使った方がいいみたいです。
鉛筆は2Bを使用。B系の鉛筆はH系より芯が柔らかく、濃い線が引けるので墨付けに合っていると思います。
すべての墨付けが終わりました。
これが「馬」2台分に材料です。
本日はここまで。
今日の感想
縦割りは想像以上にハードな作業。かなり体力を消耗します。そして墨付けでは頭を使い、気力を消耗。今夜はよく眠れそうです。
次の記事