初心者が本格的な大工技術を教えてくれる 木工倶楽部 に入会。学んだ事の復習や自習した事などを書き綴っています。
前回は ノミの教習 でした。次回の教習はサシガネを使う予定。その前に少しだけ自習しておきたいと思います。
サシガネについて
サシガネはL字の形をした金属製の物差しです。
呼び名
サシガネは、曲尺(かねじゃく)・曲金(まがりがね)と言ったり、指矩・指金(さしがね)とも呼ばれますが、教習ではサシガネと呼んでいるので、僕もそれに習うことにします。
今回のサシガネについての記事は、シンワ測定の「鶴亀尺目付曲尺 1尺5寸 10588」を使って話を進めます。
各部名称
サシガネは、サイズ・素材・目盛表示が違うものがたくさん販売されています。一般的な目盛りはcm・mm ですが、教習で使うサシガネは尺相当目盛が刻まれています。
- 長手(ながて)… 長い方。線を引くときは長手を材料に引っ掛けて使います。
- 妻手(つまて)… 短い方。
- 矩手(かねて)… 長い方と短い方、両方が交わった角。
幅は5分(15mm)に相当します。大工仕事は5分の単位を使う事が多いそう。目盛りを見なくても、サシガネの幅を使えば5分幅の線がひけるので便利ですね。
サシガネで出来ること
サシガネは、線をひいたり長さを測るだけではなく様々な役割りがあります。そのため、表と裏にはそれぞれに違った目盛りが刻まれています。
表目はシンプル。いっぽう、裏目の目盛は色々と複雑です。
「角目」は、表の目盛を√2倍(1.4.14倍)した目盛になっています。角目で丸太の直径を測ると、ルートの計算をしなくても対角線の長さが分かるので、丸太から取れる角材の最大寸法が出せます。
「丸目」は、表の目盛を円周率(3.14)で縮小した目盛。丸目で円の直径を測ると円周が分かります。
「ホゾ穴測定目盛」は、ホゾ接ぎ(一方を凸に加工、もう一方を凹に加工し接合する)加工のホゾ穴凹の深さを測る目盛。
更に裏目には「吉凶尺」という吉凶を占う 財・病・離・義・官・劫・害・吉 の8文字や「十二支」まで刻まれています。
なぜなのか調べたところ、十二支は『現場で職人さんが自分の道具の目印として十二支を選んで使うため』だそうです。
十二支より名前書いた方が確実な気もしますが、なんとなく干支はめでたいので良しとしましょう。
サシガネの持ち方
サシガネはL字になっていて、基本は左手で長手の方を持ちます。そして、軽くつまんで持ってみます。下写真ではサシガネが傾いていませんよね。
だいたい5寸(15cm)あたりがサシガネの重心になるので、ここを持つとバランスが取れます。
最後に
今回はサシガネについて少しだけ自習しました。ルートの計算をしなくても対角線の長さや円周が分かるサシガネってスゴイですね。次の教習で使うのが楽しみです。
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