木工初心者が、本格的な大工技術を教えてくれる木工倶楽部に入会。教習内容を備忘録として書き綴っています。
鑿(ノミ)や鉋(カンナ)に興味がある方、よろしかったら参考にして下さい。
四街道 サンデー木工倶楽部とは

2020年6月21日・1回めの教習
3月1日に入会説明会へ行ってからずいぶん経ちましたが、ようやく待ちにまった教習スタートです。
今期の入会者は、男性5名・女性3名の計8名。互いに切磋琢磨していければと思います。
記念すべき第1回めの教習は ❶道具の受け渡し ❷ノミのカツラ(冠)直し
教習時間は、9:30~12:30 (3時間)です。
❶ 道具の受け渡し
前回「道具購入申込書」に記入した道具一式を受け取り、簡単な説明をうけました。
実は、新品のノミ・カンナは、買ったままでは使うことができません。なので、最初の教習の目的は、
買った道具を自分の手で仕立て直して、使えるようにする事。
そして、仕立て直した道具の基本的な使い方、道具の作り方の習得を目指します。

購入した道具の写真です。一部、袋やバケツなどは載せていません。
❷ ノミのカツラ(冠)直し
ノミを買ったら最初にする事があります。それは、カツラを下に落とす こと。
ノミは柄の先端に『カツラ(冠)』と呼ばれる金属の輪がはめられています。
※ちなみに、関西では『下がり輪』と呼びます。
- 玄能(金づち)で叩いた時に、木の柄が割れてしまうのを防止する
- 叩いた力を刃先にしっかりと伝える
大事な役割があるカツラですが、新品のノミはカツラが柄の先端にある状態です。

ノミの先端に力を与えるには柄頭だけをたたく必要がありますが、この状態ではカツラも一緒に叩いてしまい、力が分散してしまいます。
また、カツラを叩き続けると徐々に潰れて広がり、いつか柄から外れてしまいます。なので、カツラを下に落とす調整をします。
なんで最初からカツラを下げた状態で販売してくれへんのやろ… と一瞬思いましたが、教習の目的は、
買った道具は、そのまま使えない。自分の手で仕立て直して、使えるようにする事。でした!
STEP1 カツラを外す
カツラには上下があります。外す前に、柄に入っていた向きを覚えておきましょう。
カツラを外す作業は2人1組になって行います。カツラの角に玄能(中)をあてる人、それを玄能(大)で叩く人。
少しづつノミの柄を回しながら、ひたすらカツラを下方向に叩きます。カン!カン!カン!

叩く時は、ノミを持っている人の手をぶっ叩いてしまいそうでヒヤヒヤ。交代してノミを持っている時は、手を叩かれないか恐怖!
この作業で、相手と信頼関係が築けそうな気がします。叩かれたら破綻やけど…

信頼関係が破綻することなく、無事にカツラが外れました。
一人でカツラを外す場合は、ヅラ落とし(下り輪打ち)という道具もあります。
STEP2 面取り
外したカツラの内側の角を、棒ヤスリで削って面取りをします。角があると柄に食い込み、カツラが下に下がってくれません。

柄にはめたときに下になる方を、外側に広げるような感じで削っていきます。ゴリゴリ。
STEP3 取り付け
カツラを柄に取りつけます。カツラの周りを玄能で叩き、柄の先端がカツラより2mm位出るまでまで落とします。

何度か、ノミをにぎっている自分の手を叩いてしまいました。ぐすん…
次に、カツラから出た柄の頭を、玄能で叩いて潰します。外に広がるように少しづつ回しながら叩き、潰れた柄がカツラに少しかぶさる様な状態になれば完成!
3本のノミのカツラ直しは、思ったよりハード。腕が筋肉痛になりそうです。

こちらのノミは先生の使い込まれたノミ。年季が入ってかっこいい!
今日の感想
申し込みしていた道具を実際に受け取ると、いよいよ始まるんだ!とワクワクしてきました。
この道具たちとは、これから長くつき合っていく事になります。扱い方をしっかり学び、きちんと手入れをして自分の道具にしていきたいと思います。
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