初心者が本格的な大工技術を教えてくれる 木工倶楽部 に入会。学んだ事の復習や自習した事などを書き綴っています。
4回めの教習で鋸を使いました。今回は、教習では詳しい話がなかった「縦引きと横引きの違い」や「切断する仕組み」など自習した事を書きます。
鋸について
鋸のよび方はノコやノコギリと言いますが、教習では「ノコ」と言っていたのでそれに倣います。ノコは様々な種類があります。
ノコの種類
- 片刃ノコ… 片側だけに刃がある
- 両刃ノコ… 両側に刃がある
- 替え刃式ノコ
替え刃式は切れ昧が悪くなったら、刃だけ変えることができるので便利。他に、折りたたみ式のノコなどもあります。
木工倶楽部指定のノコは、縦引き用と横引き用の刃がついた両刃ノコです。
『硬い奴』というすごい強そうなネーミングですが、その名の通り3.5寸の角材もガシガシ縦割り出来るパワフルなノコです。
そして、あとから購入したのが『ゼットソーⅢ 8寸目』。
ゼットソーⅢは片刃ですが、縦・横・斜め挽きができるうえ、ピッチ(鋸の刃と刃の間)がきめ細かいので、切断した断面はまるで鉋をかけたように美しく仕上がります。
ゼットソーⅢを初めて使った時は感動しました。しかし精密な切断が得意な反面、太い角材を切るには不向きなので、やはり『硬い奴』のようなパワフルなノコも必要です。
ノコの各部名称
両刃ノコの基本的な部分の呼び方です。
- のこ身 … 鋼の板に刃を刻んだもの。
- 刃渡り … 見当刃からあご刃までの長さ。
- あご刃 … ノコの引き始めや、引き溝に再び刃を差込む時に使うと、木材が傷つかない。
縦引き刃と横引き刃
両刃ノコは一枚の刃の両側に、縦引き用と横引き用の刃がついたノコです。木材の木目(繊維)によって縦引きと横引きを使い分けます。
- 縦引き刃(目が粗い)… 繊維に対して平行に切る。
- 横引き刃(目が細かい)… 繊維に対して直角、または斜めに切る。
縦引きと横引きを間違って使用すると上手く切れません。なぜなら刃の形状や切断する仕組みが違うからです。
下図のように、縦引き刃は刃の先端部分がノミのように平らになっていて、横引き刃は鋭く尖ったカッターのような刃になっています。
- 縦引き… ノミで削るように繊維に沿って欠き取る
- 横引き… 2枚のカッター刃で繊維を切り落とす
縦引き刃は、ノミのような平ら刃が連なって木材の表面を大きく削り取って切り進むので、大きなおがくずが出ます。 刃と刃の間隔が広いのは、おがくずをかき出すためでもあります。
縦引き刃を繊維に直角に断ち切るように使ってしまうと、繊維に引っかかり上手く切れません。
横引き刃は、ひとつひとつの刃の両端がカッターの刃のように鋭くとがっています。これは木材の繊維をくり返し切断しないといけないからです。
横引き刃を繊維に沿って使用すると、繊維を細かく切断してしまうため、刃が目詰まりして切りにくくなります。
このように縦引きと横引きは刃の形状や切断する仕組みが違うので、間違って使用すると上手く切れないだけでなく刃を傷めてしまいます。
アサリの役割
ノコ刃を真上から見ると、真っ直ぐには並んでいません。実は1本おきに左右に曲げられています。この構造を「アサリ」といいます。
アサリは左右に互い違いに刃を倒した構造になっているので、刃の厚み以上の幅の引き溝ができます。
もし、板の部分(のこ身)の厚みと切った溝の幅が同じだと、板が溝に挟まり摩擦で動かなくなってしまいます。
アサリがある事で引き溝がノコ身の厚みより広くなり、楽に切ることができるんですね。
切り方
日本のノコは引くときに切れます。なので切る時は引くときに力を入れ、押す時は力を抜きます。
引くときの力加減ですが、あまり力を入れすぎないのがコツ。ノコの重みで切るイメージを持ちます。そして刃の端から端まで全体を使って切ることも大事です。切る時の姿勢は、顔の中心・ノコ刃・墨線が一直線になる姿勢をとります。
そしてノコは切り始めが重要です。最初に引き溝(刃が入る溝)を作りガイドにします。
まず切り始めの位置に親指の爪を立てます。このとき必ず木材の「角」に刃を当てます。平面の部分に当てると刃がブレるからです。
次に爪にノコの元刃を沿わせ、小刻みに2~3回引いて引き溝を作ります。ガイドとなる溝を入れたら、そこから墨線に沿って切っていきます。
- 力を入れすぎない(ノコの重みで切るイメージ)
- 刃の端から端を使う
- 顔の中心・ノコ刃・墨線が一直線になる姿勢で切る
- 引き溝を作ってから切る
最後に
縦引きと横引きの違いなど、ノコについて自習した事をまとめました。しかし頭で理解しただけではダメですよね。とにかく何回もノコを使って体で覚えるのがいちばん。これからも精進します。
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