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車用の網戸を自作するメリット
夏の車中泊は、「窓を開けたいけど虫が入ってしまう」という悩みがつきもの。 そんな悩みを解決してくれるのが、車用網戸です。
車用網戸は店頭やネットショップでも販売されていますが「値段が高い」「サイズが合わない」といった問題があります。
また、YouTubeなどで紹介されているプラダンを使った自作品は「見た目が安っぽく耐久性が不安」「装着したまま走行できない」など理想的なものが見つかりません。
そこで、納得の行く網戸を自分でつくる事にしました。買うよりも少しだけ手間ですが、自作するメリットはたくさんあります。
- 装着したまま走行できて、窓の開け閉めもスムーズ
- 見た目がスタイリッシュでかっこいい
- 車種に合わせてピッタリサイズで作れる
- 市販品を買うより断然お得
今回自作した結果、見た目も機能も優れた満足の行く網戸ができました。
この記事はエブリイDA17V用のサイズを基に作り方を紹介していますが、他の車種にも応用可能です。ぜひDIYの参考にしてみてください。
材料と道具
車用網戸の材料はPPシートと防虫ネット、それらを貼り合わせる両面テープだけです。
| 材料と道具 | 購入場所 | 金額 |
|---|---|---|
| 網戸用防虫ネット(黒・24メッシュ・91×0.5×200cm) | ダイソー | 330円 |
| PPシート(アクリサンデー・黒 565×980×0.75mm) | ホームセンター | 1,408円 |
| 両面テープ(PP用・15mm幅) | ホームセンター | 800円 |
| 定規・カッター・はさみ | 自宅 | 手持ち品 |
材料はとてもシンプルですが、材料選びは少し慎重にしましょう。
PP用両面テープ
特に注意したいのは両面テープ。100均の両面テープでPPシートを貼り合わせたところ、接着力がとても弱かったです。なので、両面テープは3MやWAKI(和気産業)など、大手メーカーのPP用両面テープを使う事を激しくおすすめします。
防虫ネット
ダイソーの防虫網は価格の割にしっかりした良い素材でした。これで十分だと感じましたが、ネットでも比較的安く販売されていて評価も良いので、こちらもおすすめです。
PPシートと他の素材を比較
網戸のフレームの素材は、PPシートの他プラダンや塩ビ板などが考えられますが、それぞれにメリットデメリットがあります。
| 項目 | プラダン | 塩ビ | PPシート |
|---|---|---|---|
| 価格 | 安価〜中 | 安価〜中 | 中〜やや高 |
| 耐候性(日光など) | 強い | 紫外線で劣化する | 強い |
| 熱変形 | 高温でやや柔らかくなる | 高温で曲がることあり | 比較的熱に強い |
| 見た目 | 安っぽい | 綺麗 | 綺麗 |
これらを比較した結果、値段は少し上がりますが、見た目と耐久性を重視してPPシートでフレームを作ることにしました。
100均とホームセンターのPPシートを比較
PPシートは100均でも購入できますが、あまりおすすめできません。実際に網戸を作って比較した結果、100均のPPシート(ブラック色)で作った網戸のフレームは、中に挟んでいる網が透けるという残念な結果に。
| 100均(ダイソー) | ホームセンター |
|---|---|
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ホームセンターのPPシートで作り直した結果、中の網が全く透けず見栄えがとても良くなりました。材質もなめらかでマットな見た目もかっこいいです。
車にずっと取り付けたままにする網戸なので、見た目にはこだわりたいところ。フレームは100均ではなく、アクリサンデーPPシート激しくオススメします。
作り方
今回作る「差し込み式網戸」は、フレームとフレームの間に防虫ネットを挟み接着するだけというシンプルな造りです。
まずは網戸のサイズを決めます。あとは切って貼るだけ!簡単ですね。
1.網戸のサイズを決める
まず、窓のサイズを測ります。エブリイDA17Vの場合、車の中と外では少しだけ窓枠のサイズが違います。サイズの大きい外側の窓のサイズを測ります。
測定した窓のサイズは 横78.5cm 縦43cmですが、網戸はそれよりも大きくします。窓枠(ゴムパッキン)の中にフレームを差し込む分の長さを足すからです
網戸の出来上がりサイズは、窓のサイズから横に1.5cm 縦に2.5cm足して、横80cm 縦45.5cm フレームの幅3cm に決めました。
2.PPシートからパーツを切り出す
フレーム用のパーツをPPシートから切り出します。フレームⒶとⒷを貼り合わせて網戸1枚分になります。
網戸2枚分に必要なパーツは以下になります。
・フレームⒶ用
80cm×3cmを4本 39.5cm×3cmを4本
・フレームⒷ用
74cm×3cmを4本 45.5cm×3cmを4本
0.75mm厚のPPシートはカッターで切ることができます。綺麗に切るコツは1度で切ろうとしないこと。1回目は軽く溝を入れる程度に刃を入れ、2回め3回めと徐々に力を入れていくと、綺麗に切れます。
カッターはしっかりロックできるタイプがオススメ。刃がブレずに綺麗にカットすることができます。
定規は金属の定規がおすすめ。プラスチック製のものはカッターの刃を何回も入れていくうちに、側面が刃で削れてガタガタになる可能性があります。
僕が使ったのはステンレス製の曲尺ですが、50cmしかないので80cmのパーツをカットする時に少しだけ苦労しました。
長さが1mの定規があれば、カットの作業がはかどると思います。
パーツの組み方について
ⒶとⒷを貼り合わせて1枚のフレームをつくりますが、それぞれの長さを変えているのには理由があります。
貼り合わせた時に、ⒶとⒷそれぞれのフレームの継ぎ目が互い違いになり、フレームの折れ曲がりを防ぐができます。
3.フレームにネットを貼る
フレームⒶのパーツを、イラストと同じように仮置きします。
両面テープを全面に貼って、枠を固定します。パーツとパーツの継ぎ目に隙間が開かないように注意して下さい。
貼り終えたら、テープの上から指で押さえて、しっかりと接着します。
はくり紙を剥がし、防虫ネットをそっと置きます。
防虫ネットはフレームよりも大きめにカットするか、カットせず長いままでもOk。フレームからはみ出た分を後からカットした方が、簡単できれいに仕上がります。
きれいに貼るコツは、はじめにフレームの一辺だけを押さえて接着すること。そこを起点に上下左右を均一に引っ張りながら、歪まないように貼っていきます。
防虫ネットの上から更に両面テープを貼ります。下のフレームに合わせて貼りましょう。
はくり紙を剥がし、フレームⒷのパーツを貼ります。
下のフレームⒶの継ぎ目と、互い違いになるように貼るのがポイントです。
はみ出た防虫ネットをカット。フレームに刃を沿わせるようすると綺麗に切れます。
同じ作り方で、2枚目の網戸も作ります。
これで完成!PPシートで作ったフレームは、軽量なのにしっかり。適度なしなりが、窓枠に差し込む際に役立ちます。
窓枠に装着する
窓枠(ゴムパッキン)の中にフレームを差し込みます。
拡大するとこんな感じ
フレームをしならせ、角から差し込むと入れやすいです。
上部は車の外から差し込むとスムーズです。
ギュッギュッと押し込みます。
車用網戸が装着できました!
外からはこんな感じの見た目です。
PPシートのフレームが見えていますが、マットな見た目がゴムパッキンとマッチしているので全く悪目立ちしていません。
実際に使ってみた感想
車中泊で使用したところ、虫がいっさい入らず快適でした。風の通りもよく、車内温度が下がりやすかったです。
耐久性もあり、取り付けたまま走行しても問題ありませんでした。窓の開け閉めもこのままでOK。季節を問わず快適に使えそうです。
まとめ
ホームセンターやネットで手に入る材料で、エブリイDA17Vにぴったりの「差し込み式網戸」を自作しました。
もちろん、他の車種でもサイズを合わせれば同じ方法で作成可能です。
網戸があると、虫を気にせず快適に車中泊ができるし、換気が必要なカセットコンロを使った料理も楽しむことができます。
市販の網戸は高いから自作したい!自分の車に合うサイズの網戸が無いとお悩みの方に、この記事が参考になれば嬉しいです。








