木工初心者が、本格的な大工技術を教えてくれる木工倶楽部に入会。教習内容を備忘録として書き綴っています。
鑿(ノミ)や鉋(カンナ)に興味がある方、よろしかったら参考にして下さい。
四街道 サンデー木工倶楽部とは

2020年11月15日・11回目の教習
教習⑪ その1 からの続きです。
次は、いよいよ鉋がけ。時間をかけて仕込みを終えた My鉋。ようやくデビューです。
鉋がけの基本
削り台を使用した、鉋がけです。

鉋がけの基本動作のポイントは3つ。
- 鉋の持ち方
- 姿勢
- 体の動かし方
では、先生のお手本を見ながら、3つのポイントをチェックしましょう!
① 持ち方
鉋の基本的な持ち方です。右手は、鉋台の中央付近を覆うようにつかみます。

左手は鉋刃の裏側から、手のひらを丸く包み込むようにして軽く添えます。

または、親指と人差し指で鉋刃をつまむように持つ方法もあります。(下写真)
中指と薬指は台頭に、小指は削る木材の側面に添えます。

どちらの方法でも共通するのは、左手は軽く添えるように持つこと。力んではいけません。
〈持ち方まとめ〉
- 右手で鉋台の中央付近を覆うようにつかむ
- 左手は鉋刃の裏側から軽く添える
② 姿勢
鉋の引き始め、スタート位置での姿勢です。
足は軽く前後に開き、腰をほどよく落とします。大事なポイントは「背筋と腕の伸び」。
先ずは良い例から。

背筋を伸ばし腕を前へ。やや前傾姿勢になるのが正しい姿勢。
次は良くない例です。

背中が丸まり、腕が縮こまっています。このような姿勢だと、手元だけで鉋を引く事になるので、きれいに削れません。
背中が丸くなったり、腕が縮こまらないように注意しましょう。
〈姿勢まとめ〉
- 足は前後に開く
- 腰をほどよく落とす
- 背筋と腕を自然に伸ばし前傾姿勢をとる
③ 体の動かし方
体の動かし方で大事なのは、手や腕だけの力ではなく体全体を使って削ること。
どうすれば体全体を使って削ることができるか? ポイントは「腰」です。
手や腕を先に動かすのではなく、まず腰から動いて全身を引くようにすると、体全体を使って削る動きになります。
そして「構え」を変えないことも大事。移動する度に構えが変わると、鉋に加わる力も変わるので平らに削れません。

「ヒジから指先までの構えは固定」そして「腰から動いて全身で引く」ことを意識して鉋を引きます。
ちなみに足の運び方は、普通に後ろ歩きをしながら移動すれば良いそうです。
〈体の動かし方まとめ〉
- 腰から動いて全身を使って引く
- 構えを変えない
- 足の運びは後ろ歩き
初めての鉋がけ
鉋がけの基本動作を学びました。さっそく鉋がけをしたいところですが、まずは準備から。
鉋がけの前に
僕と同じく鉋初心者の方、よければ下の記事を参考にして下さい。鉋の基礎知識や、仕込み方について書いています。



きれいに削るために、鉋台・鉋刃の調整はとても大事です。特に刃はしっかり研いでおくこと!

先生曰く「刃をよく研いでいれば片手でスーっと引くだけで削れる」そうです。

片手でスー。削れへんな…。刃を研ぐのも大事ですが、出し方も大事でした!鉋刃の出具合は、下端から髪の毛1本分でしたね。
参考記事教習⑨ 鉋の仕込み ~刃を出す~
実際に削って感じたこと
鉋がけの基本動作は学んだ。鉋台も鉋刃の調整も(多分)ばっちり!
では、鉋がけいってきまーす!おりゃ~

ハイ!難しい!
ということで、初心者の僕が実際に鉋がけをして感じた事と、その対処法について考えてみたいと思います。
- 指が痛い
- なめらかに移動できない
- 削り終わりが難しい
① 指が痛い
まず、鉋の角が指に当たってめっちゃ痛かったです。原因は 握り方 にあるようです。
ベチャっと持っていたので、鉋台の角が指に食い込んでいました。

正しい持ち方は下写真のように、鉋台の間に隙間が空くようにして持ちます。上から覆うように持つんですね。

手のひらと鉋台の間に隙間を空ける。
ちなみに手のひらの下側は、台尻を押さえるようにピタッとつけます。
② なめらかに移動できない
動きがぎこちない原因は 変な足の動きと、へっぴり腰。
足の運びかたは、普通に後ろ歩きするだけ。でも足の動きを意識すると、かえって動きが変になりました。なので、今はあまり意識しないようにします。

鉋がけの姿勢は背筋を伸ばし、腰を入れて落とすことが大事。へっぴり腰だとウデで引く動きになってしまいます。
腰から引かないといけませんが、腰が引けてはいけません。ニホンゴ、ムズカシイデス。
足の運びは気にしない。腰を落とし、腰から動いて全身で引く。
③ 削り終わりが難しい
削り終わりが斜めに削れてしまいました。原因は、 鉋を押さえる位置。
鉋がけは台尻部分を押さえて削っていきますが、このまま最後までいくと台尻が下がり斜めに削れてしまいます。

なので、削り終わりは台尻ではなく台頭部分を押さえ、台尻が下がらないよう水平を保ちながら削ります。

補足すると、鉋はそれ自体の重さがあるので、強く押さえつけて削ってはいけません。
削り終わりは台頭を押さえ、台尻が下がらないよう水平に抜く。
以上いろいろ考察してみましたが、まずは頭であれこれ考えるより体を動かして、練習あるのみですね。
今日の感想
今日の教習は、墨壺で墨を打つ練習と鉋がけの基本を学びました。
毎度のことですが、実際にやってみると先生のお手本のようにはできません。学んだ事をしっかり思い出しながら精進します!